「海の歌を一緒に歌ったのは、海のねえ県に生まれた男。海には雨が降って川に流れた水が流れ着く……、『山人音楽祭』から傷ついたあの街に届きますように……BRAHMAN始めます!」と、ここからは打って変わって、「賽の河原」から闘うように獰猛な音を轟かせていく怒濤の展開に。足を蹴り上げるMAKOTO(Ba)、中指を突き上げるTOSHI-LOW……会場を真っ赤に染めるアングリーで分厚い音で、会場がバリバリと揺れているのが分かる。その揺れがまた、聴いているこちらの血を滾らせ、興奮へと変えてくれる。そんな熱と熱がぶつかり合うステージングから、RONZI(Dr)のリズムに合わせて、今度はHEY-SMITHのホーン隊、満(Sax)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)が登場して「怒涛の彼方」を共に披露。「せっかく来たんだからもう一曲! 弾けて混ざっていけよ!」と「BEYOND THE MOUNTAIN」をコラボして、爽快なスケール感を纏ったサウンドを浴びた観客が揉みくちゃになって踊る。
今度はRHYMESTERと入れ替わってSOIL&"PIMP"SESSIONSが登場し、負けじと「SUMMER GODDESS」「Pride Fish Ball」などを畳み掛けながら、エネルギーに満ち満ちたスケールある音像をぶつけていく。約30分ずつのライブをそれぞれ終えると、主催者と観客の期待に応えんと全員登場のジャムセッションに!
Image may be NSFW. Clik here to view.
RHYMESTER×SOIL & "PIMP" SESSIONS
ライブだけでなく共に音源もリリースもするなど、盟友ともいえるこの二組。実は、2011年のFM802主催「MEET THE WORLD BEAT」の打ち上げでセッションしたのがきっかけということもあり、大阪とは縁深い関係性のコラボを見届けなければと、気づけば野音の会場に入りきらないほどまでに集まっていた観客みんなが大歓喜。
Image may be NSFW. Clik here to view.
RHYMESTER
1曲目の「I Believe In Miracles × The Choice Is Yours」のマッシュアップを完璧にキメたり「この夏の散々な思い出を思い返して、今日の夜、美化しましょう!」と「フラッシュバック、夏。」を披露。何が起こるか分からないヒリヒリした緊張感のアツいライブを、トータルで2時間近くも繰り広げた。
『山人音楽祭2018』2日目、『妙義ステージ』のトップバッターを務めるのは、音の旅crew。爽快感のあるダンスナンバー「my pace space my place」でライブをスタートさせ、そのままguro(Gt)のギターから「CROSS ROAD」へと雪崩れ込んでいった。《30分に全てを懸ける日々に/腕とスキル高める時間を作る》という歌詞が、ストンと胸に落ちてきた。
会場に「ヤーマン!」という言葉が飛び交う中でスタートしたのは、レゲエミュージックの素晴らしさを現代へと継承するFIRE BALL with HOME GROWN。威風堂々としたオープニングナンバー「LIGHT UP THE FIRE ~FB:着火のテーマ~」を皮切りに、HOME GROWN が鳴らすグルーヴ感溢れるバンドサウンドにのせて、“ハマの火の玉”の異名をとるFIRE BALLが鮮やかなマイクパフォーマンスを繰り広げる。
Image may be NSFW. Clik here to view.
FIRE BALL with HOME GROWN
「お手を拝借!」と、常夏の太陽が似合うようなトラックでフロアを楽園へと変えた「Call This Love」では、「レゲエの根底にあるのは愛ですよ。みなさんの愛を見せてください」と呼びかけて、“ラブ”のコール&レスポンスで会場を一体にすると、続く、レゲエ讃歌 「Raggamuffin」では、ダンスホール・レゲエの昂揚感に包まれてお客さんは一斉にジャンプする。
Image may be NSFW. Clik here to view.
FIRE BALL with HOME GROWN
MCでは、CHOZEN LEE が「ここに立っている全員ギリギリで到着しました(笑)」と、道路が渋滞していたため、電車に乗り換えようかと思ったという裏話を明かすと、その気持ちをボブ・マーリーのカバー「Stop the Train」にのせて4声の美しいハーモニーで聴かせる場面も。そして、軽やかな裏打ちのリズムが弾んだ「俺とお前とボブマーリー」など、ボブ・マーリーが後世に遺した“愛”と“闘争”のテーマを、ルーツ愛に満ちたパフォーマンスで伝えていく。
Image may be NSFW. Clik here to view.
FIRE BALL with HOME GROWN
メンバー曰く「いちばん見せ場」となったダンスホール・ナンバー「Don't Turn Dat Down」では、会場に集まったお客さんが自由に体を動かす心地好い空間を作り上げると、「みんなの人生が楽しくなることを願ってます。今の楽しさと、みんなのパワーがあれば、乗り越えられるんじゃないかと思ってます。日本は自殺率がいちばんだって?でも俺は孤独なやつなんていないと思うよ。こんな良い音楽があるんだもん。孤独な人を孤独にさせないために、せめて一緒に歌いませんか?」と語りかけて、「みんなのうた」を披露。“お前はひとりじゃねえ”と、陽性のバンドサウンドにのせた熱いメッセージは、強い信念を持つ彼らが歌うからこそ響くものだったと思う。
勇壮にして軽快な「ゴッドファーザー愛のテーマ」で堂々と幕開けしたのは東京スカパラダイスオーケストラだ。1曲目からじわじわと焚き付けた後、沖祐市(Key)がピアニカを吹き、そのピアニカがキラキラとした電飾を放つと、観客もワーッと盛り上がり、そのまま「SKA ME CARZY」へ。メンバーがステージ上でステップを踏んで踊り出すと、賑々しいサウンドに拍車がかかり、楽しいムードを会場の四隅に染み渡らせる。そう、音楽そのもので語りかけるエンタメ感は他の追随を許さない説得力に満ちていた。
Image may be NSFW. Clik here to view.
東京スカパラダイスオーケストラ
Image may be NSFW. Clik here to view.
東京スカパラダイスオーケストラ
Image may be NSFW. Clik here to view.
東京スカパラダイスオーケストラ
谷中敦(B.sax)が「楽園に境目はない。楽園の扉を開けっ放しにしてるので、雪崩れ込んできて!」とMCすると、「Glorious」、「Paradise Has No Border」と立て続けにプレイ。まさに享楽のパーティー空間に観客を一人残らず誘い、ステージとフロアを崩壊させるエネルギーが渦巻いていた。
準決勝からは8小節4本の戦いに。1試合目は輪入道 vs. TK da 黒ぶち。お互いに相手から目を離さない真剣勝負となったこの試合、勝者は輪入道。ひと言もなく足早にステージを去ったTK da 黒ぶちの背中にはなんとも言えない悔しさが滲んでいた。
Image may be NSFW. Clik here to view.
山人MCバトル
Image may be NSFW. Clik here to view.
山人MCバトル
Image may be NSFW. Clik here to view.
山人MCバトル
決勝進出者を決める最後の試合は小池 潔宗 vs. NAIKA MCの地元群馬対決。音楽愛、ヒップホップ愛を表す同郷らしい試合展開となった。バトルというよりも見事なマイクリレーにオーディエンスは酔いしれた。勝ったのはNAIKA MCだが、勝ち負けなんて別にいっか!と思わせるステージとなった。
Image may be NSFW. Clik here to view.
山人MCバトル
1時間近くにわたって繰り広げられたバトルも遂に決勝。輪入道 vs NAIKA MCという好カードだ。じゃんけんで勝ったNAIKA MCは先攻を選ぶという強気な姿勢。しかも16小節2本勝負を選択。俄然期待が高まったが、NAIKAが小節を間違えるという、決勝戦にあるまじき凡ミスを犯してしまう。すぐに平静を取り戻したところはさすがだったが、そんなミスを見逃す輪入道ではない。一気にNAIKAを攻め立て、山人MCバトル3代目チャンピオンの座を勝ち取った。