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【打首獄門同好会・山人音楽祭 2018】うまい棒片手に大人も子どもも熱狂! みんなで叫んだ「働きたくな~い!」

山人音楽祭 2018【榛名ステージ】 打首獄門同好会

開演直前、お客さんにうまい棒が配られ、万全に準備が整ったところで登場した打首獄門同好会。大澤敦史(Gt/Vo)が「山の神に祈りを込めて、儀式を執り行いたいと思います」言って、「デリシャスティック」からライブはスタートした。河本あす香(Dr/Vo)とJunko(Ba/Vo)の女性リズム隊が繰り出す重戦車のようなグルーヴにのせて、ボーカル大澤がうまい棒の味の種類を連呼。ステージに持ち込んだモニターにも様々な種類のうまい棒の映像が映し出されれば、1曲目から会場は凄まじい盛り上がりだ。

「山人たちよ、お前たちは海の生き物を見たことがあるか!? これは諸外国に伝わる海の国の伝説である」と紹介した「島国DNA」では、三・三・七拍子のリズムにのせて、《まぐろ!まぐろ!まぐろの刺身!》と歌い、お客さんの頭上を魚がぴょんぴょんと跳ね、《ビーフ チキン ポーク》と肉の種類を叫ぶ「ニクタベイコウ!」では、骨付き肉がお客さんの頭上を弾む。

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打首獄門同好会

打首獄門同好会

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打首獄門同好会

打首獄門同好会

バンド名はおどろおどろしいし、鳴らす音もラウドだが、ひたすら食べ物で攻める歌たちはどこまでもキャッチー。だからこそフロアには、子連れの姿も目立っていた。「今年もこのステージに帰ってきました。相変わらず熱いし、空気が薄い!」と大澤。その言葉のとおり、キャパオーバーの榛名ステージはものすごい湿気と熱気に包まれていた。

「最近はライブばっかりやっていて、特にリリース情報はないのですが、リリースじゃないものを」と披露したのは、Nintendo Switch用ソフト『WORK×WORK』のプロモーション用テーマソングとして、すでにミュージックビデオが公開されている「はたらきたくない」。ひたすら働きたくない理由を、カオティックなサウンドにのせて歌う中毒性溢れるこの楽曲に寄せて、「この山人音楽祭を楽しく過ごして、幸せな思い出を残したところで、(連休が明けたら)全員が同じ気持ちになる」という大澤の言葉には、誰もが激しく同意しただろう。だが、裏を返せば、「働きたくない」と想いながら働き、堪えて汗水を流すからこそ、待ちに待った今日のようなライブの日がかけがえのないものになるのだと思う。

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打首獄門同好会

打首獄門同好会

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打首獄門同好会

打首獄門同好会

そんな「はたらきたくない」が、新曲にしてすでにライブのニューアンセムの貫禄でフロアを盛り上げたあと、最後は「いま日本人の主食となる食べ物が収穫の時期を迎えている。ここ群馬は北関東。北関東は、関東地方では米どころと言われています。栃木県、茨城県、かなりの成績をあげているが、群馬県の米収穫量全国ランキングを調べてみたら、その順位は……(ドラムロール)30位以下でした!」(大澤)というオチで湧かせた「日本のコメは世界一」でフィニッシュ。今日も打首のライブに死角なし。食べ物ばかりネタにして、エールソングなんて1曲もないけれど、終わってみれば元気になれる。それが打首獄門同好会だ。


文=秦理絵 撮影=半田安政[Showcase]

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打首獄門同好会

打首獄門同好会


C&K、約1年半ぶりとなるアルバムのリリース決定 発売前日に横浜アリーナ公演も

C&Kが、11月21日(水)に約1年半ぶりとなるアルバムをリリースすることを発表した。

また、アルバム発売日前日には10周年アニバーサリーライブとして、横浜アリーナでのワンマンライブを開催することも決定している。この作品には、本日最終回を迎える日本テレビ系土曜ドラマ『サバイバル・ウェディング』主題歌「ドラマ」の他、全10曲とボーナストラックを収録予定で、詳細は後日発表されるとのことなので、続報を待とう。

【BRAHMAN・山人音楽祭 2018】細美武士、HEY-SMITHも登場 G-FREAKへと想いを繋ぐBRAHMANのまたとないステージ

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 BRAHMAN

「今夜」がじっくりと、丁寧に歌い上げられる、温もりある幕開けとなった赤城ステージ。途中、ステージ袖から1人の男がTOSHI-LOW(Vo)の元へと歩み寄ってきた。何事かとザワザワとした空気を、その歌声で大歓声の嵐へと変えたのは、MONOEYESの細美武士(Vo/G)だ。二人で目を見合わせ、最後はハグ。そんな、コラボレーションに胸ときめかせていると、「ナミノウタゲ」で、G-FREAK FACTORYの茂木(Vo)が登場。手を取り合いながら、和やかな表情で肩を並べて歌う。“しっかり掴まれよ”、“振り落とされるなよ”……そんなメッセージがより、際だって聴こえてくる。昨日今日の関係性では作れないステージ、生み出せないハーモニーに酔いしれるひととき。そんな、BRAHMANにしか成し得ないドラマが冒頭から凝縮されたライブに、胸が熱くなる。

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BRAHMAN、細美武士

BRAHMAN、細美武士

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BRAHMAN

BRAHMAN

「海の歌を一緒に歌ったのは、海のねえ県に生まれた男。海には雨が降って川に流れた水が流れ着く……、『山人音楽祭』から傷ついたあの街に届きますように……BRAHMAN始めます!」と、ここからは打って変わって、「賽の河原」から闘うように獰猛な音を轟かせていく怒濤の展開に。足を蹴り上げるMAKOTO(Ba)、中指を突き上げるTOSHI-LOW……会場を真っ赤に染めるアングリーで分厚い音で、会場がバリバリと揺れているのが分かる。その揺れがまた、聴いているこちらの血を滾らせ、興奮へと変えてくれる。そんな熱と熱がぶつかり合うステージングから、RONZI(Dr)のリズムに合わせて、今度はHEY-SMITHのホーン隊、満(Sax)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)が登場して「怒涛の彼方」を共に披露。「せっかく来たんだからもう一曲! 弾けて混ざっていけよ!」と「BEYOND THE MOUNTAIN」をコラボして、爽快なスケール感を纏ったサウンドを浴びた観客が揉みくちゃになって踊る。

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BRAHMAN

BRAHMAN

HEY–SMITHのメンバーを見送り、ここからはBRAHMANの独壇場へ。「警醒」で、TOSHI-LOWがステージからフロアに降臨。転がってくる観客を蹴散らしながら、時に険しい表情で、時に楽しくて仕方がないように微笑みながら、叫ぶように歌を届けた。

「西日本は水につかっちまって、北海道はあんなに揺れちまってさ……、今度もし自分たちの町で何かあった時、誰がやるんだ」と問いかけ、「鼎の問」へ。先の東日本大震災の影響で被害を受けた福島原発の様子と、そこで働く人たちの写真と言葉がビジョンに映し出され、我がことのように、真摯にじっと聴き入る観客たち。

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BRAHMAN

BRAHMAN

そして、再びMCへ。最初は出演を断ったものの、茂木の熱心な誘いに折れて出演することに至った経緯が語られた。今年の西日本の豪雨被害、G-FREAKが弾丸で広島まで夜走りして土囊袋を持って行ったこと、北海道での大地震、様々な苦難が重なったことに触れ、「群馬でもし何かあった時には、この曲を歌ってみんなで助け合えるように。一生懸命に歌います。そして来年は、G-FREAK、『New Acorstic Camp』に来い。一緒に酒飲みながら、綺麗にお月様を見ながら去年は大変だったなと、そんな風に言おう」と、「満月の夕」へ。
95年の阪神淡路大震災を機に生まれた曲を、全国各地でカバーして大切に歌い続けてきた。その想いを、この群馬の地で、『山人音楽祭』へと繋げる。最後の「真善美」では、マイクを投げ捨て暗転する締めくくりに。《さぁ、幕が開くということは/終わりが来ることだ》の歌詞の通り、突然の終わりとなる。当たり前のことが、当たり前でなくなることがある。だからこそ、一瞬一瞬のかけがえのない時間を、ワッと燃え上がる瞬間を、片時も見逃してはいけない。そう知らしめてくれるような、凄まじいライブだった。


文=大西健斗 撮影=HayachiN

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BRAHMAN

BRAHMAN

【My Hair is Bad・山人音楽祭2018】結果を残し続ける今も、まだまだ自問自答し続ける格好良さ

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 My Hair is Bad

本番ギリギリまでリハをして袖に戻らず、そのまま本番突入。リハの時から感じていたが、大きなステージが似合う。ボーカルの椎木知仁は27歳という若さだが、バンドキャリアは10年あり、日本武道館2日間も満杯で埋めている。その自信の表れなのか、1曲目「アフターアワー」からノリにノッている事がビシバシ伝わってきた。2年前に大阪のフェスのサブステージで観た事がある。その時は若手が噛みつく感じで、語りというか叫びというか、歌ではあるが、そのまま想いをぶつけるような、まさに爪痕を残しにいくステージだった。だが、今は全く違う。2年も経って、経験を積んでいたら、そりゃ全く違うのは当たり前だし、こちらが2年観れてなかっただけなのだが、こんなに進化を遂げていたのかと本当に驚いた。

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My Hair is Bad

My Hair is Bad


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My Hair is Bad

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3曲目「ドラマみたいだ」の前に、椎木は「ちょっと自己紹介を」と1992年に自分が生まれた事や少年時代の事や音楽と出逢った事を即興で語っていく、ギターを弾きながら。まさしく弾き語りだな、なんて思うが、ただ曲を歌うだけでなく、ギターにのせて、頭にこのような語りを入れるだけで、こちらへの伝わり方も変わってくる。それを尚一層感じたのが、終盤の「フロムナウオン」だった。

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My Hair is Bad

My Hair is Bad

先輩のBRAHMAN、MONOEYESに出順を挟まれた事を話しながら、キャリア15年、20年、30年の先輩たちがロックシーンの先頭に、夏フェスのトリにいる現在を語り、じゃあ自分たちがやるべきことを自問自答していく。MCで壮大なテーマを話すのだなと思ったが、想いをぶちまけるMCは、どうしても一言一句聞き逃したくないと思ってしまう。そう、自分たちがやるべき事という自問自答の結果は……、生意気をやるという事。若者らしくて素晴らしい答え。そこから語りという叫び、まさに2年前に大阪で観た、あの強烈な想いが伝えられ、「フロムナウオン」に入ってからも、即興のような歌詞で歌われていく。観客は立ち尽くすしかないが、椎木の強烈な想いは伝わっただろう。

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My Hair is Bad

My Hair is Bad

「ブームはブームだよ。どういうバンドが残っていくと想う? 本物が残るよ。俺らの事、本物か偽物か、どっちだと想う?」……、その場にいた全員に問いかけられた椎木の言葉が忘れられない。間違いなく皆同じ答えを胸に秘めて、ライブを観終えたはずだ。


文=鈴木淳史 撮影=HayachiN

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My Hair is Bad

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Amelieが東名阪で2マンイベント『ノスタルジックシアター 〜平成最後の二人三脚〜』を開催

Amelieが、2019年1月に東名阪で2マンイベントを開催する。

バンドの自主企画のタイトルである『ノスタルジックシアター』を掲げ、『ノスタルジックシアター 〜平成最後の二人三脚〜』として、東京大阪名古屋の3会場で行われる。ゲストアーティストの解禁は後日発表予定となっているが、チケットの先行販売は、このあと22時からイープラスにてスタートするのでお早めに。

四星球、“学校指定文房具”セット付きの4,444枚限定生産シングルをリリース

四星球が、4,444枚限定生産シングル「シングル『言うてますけども』」を10月24日に発売することを発表した。

表題曲の「言うてますけども」は、夏フェスなどですでに披露されており、くどいほどに繰り返される「言うてますけども」という歌詞で“嫌でも覚えてしまう魔法の楽曲”と話題となっている。

そして、この作品は四星球が主催する企画ライブ『四星中学校』の“学校指定文房具”が多数詰まった豪華盤となる。「シングル言うてますけども…、CDつきグッズちゃう?」とボリューム大でツッコミたくなる大ボリュームの「シングル『言うてますけども』」は数量限定となるので、欲しい人は早めに予約した方が良さそうだ。

そして本日、「言うてますけども」を分かりやすく解説したYouTube動画「YouTube動画『言うてますけども』」も公開された。なお、9月23日(日)24(月・祝)の2日間にわたって開催される『平成30年度 四星中学校文化祭』で予約すると“四星中学校校章ステッカー”がその場でプレゼントされるとのこと。詳細は公式サイトをチェックして欲しい。

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【アルカラ・山人音楽祭 2018】結局は彼らの手のひらで心地よく踊らされるのだ 彼らが今年の山人で交わした新しいだるまの約束とは

山人音楽祭 2018【榛名ステージ】 アルカラ

しまった! 榛名STAGEへの到着が遅れてしまった! いや、もちろん定刻より前には着いてるんだけど、アルカラはサウンドチェックから何かしらやらかすバンドだということをすっかり忘れていた。既にどっかんどっかん笑いが起こっている場内に足を踏み入れると、4人は尾崎紀世彦「また逢う日まで」を本域でカバーしていた。しかも、「今日は来てくれて本当にどうもありがとうございました……」という、ボーカル稲村太佑による涙まじりの挨拶も……。そして、ラスサビでは会場全体がひとつになったシンガロングで大団円……んなわきゃない。

いったん袖に戻って(その必要があるのか最早わからんが)、稀代のトリックスター、アルカラによるライブが定刻にスタート。サウンドチェックであれだけ全力でふざけておいて本番がダメなら目も当てられないが、もちろんそんなことはない。体にまとわりつくようなねっとりとしたアルカラグルーヴが榛名をジワジワと侵食する。

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アルカラ

アルカラ


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アルカラ

アルカラ

4人のテクニシャンぶりが早くも発揮されたのは「アブノーマルが足りない」。サポートギターの竹内亮太郎が耳をつんざくような鋭いフレーズを放てば、下上貴弘のうねるようなベースラインがそこに絡み、すかさずブレイクで疋田武史がタイトなビートを叩き込む。うーん、たまらん。「半径30cmの中を知らない」で稲村がふざけた歌い方をしてみせてフロアを笑わせたが、自分たちの高い技術力に対する照れ隠しのようにすら思えてしまう。

最新曲「サースティサースティサースティガール」は速いビートから一転、サビでグッとテンポを落とす展開によって起こる大きなうねりが快感だ。まさにアルカラならでは。暴れると言うよりも、グイグイに踊りたくなる。

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アルカラ

アルカラ

MCがまたよかった。去年の山人の楽屋に置いてあった高崎ダルマを手にした稲村が言う。もし今年も山人に出演することが出来たなら、ステージ上でもう片方の目を入れるという約束を去年交わした、と。このダルマ、この1年の間あらゆるライブ現場に同行させ、なんとMVにも出演したという。その甲斐あってか、今年はその約束を果たすことができ、実際に目を入れることができた。そして、観客も一緒に「ありがとう」をダルマに伝えたあと、稲村が持ってきたのは今年のダルマ。そして稲村は言った。「来年、また山人音楽祭に出演することが出来たなら(以下略)」これはいいオチ。このパターンだとアルカラ毎年出続けるんじゃね?

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アルカラ

アルカラ

ひとしきり笑ったあとは、「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」のメロディに酔いしれる。いや、この表現は適切ではないか。なんせアルカラは全ての楽器が全ての楽曲でメロディアスに歌っているのだから。

終わってみれば、最初から最後まで完璧なステージ運びだった。なんとなくハプニング性の高いバンドだと思いがちだけど、アルカラにしてみればそんなのは全て織り込み済み。我々は4人の手のひらで踊るただの孫悟空なのだ。
 

文=阿刀“DA”大志 撮影=半田安政[Showcase]

The Birthday、スペアザら9組が前人未踏の大阪の地でフェス開催『たとえばボクが踊ったら、♯002』イベントレポート

『たとえばボクが踊ったら、♯002』2018.9.16(SUN)服部緑地野外音楽堂、服部緑地スポーツ広場A特設ステージ

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「こうやって開催しているのは奇跡的で……」と、RHYMESTERの宇多丸とMummy-Dが、MCで何度もそう言っていた。それほどまでに台風の被害が大きく、開催が危ぶまれていたライブイベント『たとえばボクが踊ったら、♯002』が、9月16日に服部緑地野外音楽堂+服部緑地スポーツ広場A特設ステージにて無事開催された。出演は、The Birthday、SPECIAL OTHERS、RHYMESTER、SOIL&"PIMP"SESSIONS、PUSHIM×韻シスト、 韻シスト、lecca、Ovall、jizue。ロック、ジャズ、ヒップホップとジャンルを超えた豪華なラインナップ。何がどう“奇跡的”だったのかも踏まえたうえで、なんとか当日を迎えることができた同イベントの魅力を、ライブ写真と共にじっくりとレポートしたいと思う。

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一昨年に、「関西で魅力的なキモチいいフェスしたい」との想いから、服部緑地野外音楽堂でThe BirthdaySPECIAL OTHERS2マン形式で開催されて以来、2年ぶりとなる『たとえばボクが踊ったら、』。今年は、服部緑地野外音楽堂に加え、同じ服部緑地公園内の10分ほど歩いたところにある、服部緑地スポーツ広場Aに特設ステージを作って2会場で開催。出演者数も大幅に増え、正真正銘のフェスとしてパワーアップしての開催となった。因みに、このスポーツ広場にステージを組んで、イベントを開催するのは公園にとっても史上初の試みだという。今回の大きな魅力のひとつは、この特設ステージだ。

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そもそも服部緑地公園がどこにあるのかというと、大阪の北部にある豊中市にある公園で、大阪市内からなら電車で20分程度、新大阪駅からは約15分なので東京からでも日帰りで遊びに来れるほどのアクセスのいい場所にある。緑豊かな広大な敷地には、野外音楽堂の他、アウトドアが楽しめるスペースも多くあり、関西の音楽好きなら誰しもが、「ここでフェスをしたらいいのに…」と、勝手にイメージを膨らませたことが多少なりともあるはず。その想像を、理想として頭の中でとどめることなく、実際に行動に起こして創造されたのが『たとえばボクが踊ったら、』というわけだ。野外音楽堂でのライブイベントは数あれど、運動場のように広いこのスポーツ広場Aを使ってのイベントは先述した通り今回が初めて。未開の地というだけあって、主催者と公園スタッフが開催を実現させるまでには、想像もつかないほどの苦労と試行錯誤を繰り返したのではないかと思う。ただ、「この場所でフェスがしたい」という強い想いは、当日参加した人たちは身をもってすぐに理解できただろうし、このレポにある素晴らしい写真からも伝わるのではないだろうか。

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この公園の魅力は、昼は緑に囲まれた開放的な雰囲気の中、アウトドア気分で音楽を楽しむことができるし、夜は月夜とステージの灯りだけが視界に入り、大阪府内とは思えないほど幻想的な景色が広がる。緑に遮られたスポーツ広場内は、まるで山奥に遊びに来たような非日常を体感させてくれるので、よりリフレッシュした気分で音楽に身をゆだねることができるのだ。

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ステージ最前で踊り狂うもよし、アウトドアチェアを持ち込んでゆっくり楽しむもよし。また、フードのラインナップもこだわりが光り、ミシュランのビブグルマン掲載された北新地の本格中華「幸菜福耳」と創作串揚げ「Kushiage 010」をはじめ、梅田や難波ではテッパンの「炭火焼き鳥えんや」、福島の焼肉「Da-Wa」、西大橋の「うれしい居酒屋酒歌」など、普段使いして間違いなしな大阪屈指の人気店がそろうので、美味いフェス飯とお酒を堪能したり。大空と緑の中で、自由にマイペースに、老若男女が過ごしやすいように細部まで工夫され尽くしていて(細かいところでは、段差にオリジナルの黄色いテープを貼って注意喚起するなどの気遣いも)、「大阪でこんなフェスの楽しみ方ができたなんて!」と驚いたのは、きっと僕だけでないはず。

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それだけ魅力的な会場が用意されたにも関らず、全国で暴風雨の猛威を振るった台風21号の影響で直前まで開催が危ぶまれていたことも、知っておいてほしい。電気が復旧したのはなんと開催数日前だったそうで、それほどまでにギリギリの状態だったという。未だに公園内の木は根こそぎ倒れたり、施設の屋根やオブジェが破壊されていたりと、多くの傷跡が被害の甚大さを物語っていた。それでも「想定外の状態でも開催する!」と決して諦めなかった主催者の強い想いと、公園スタッフの尽力のおかげで復旧が行われ無事開催されるにいたったのだ。前置きが大変長くなってしまった…。ここまでは、「関西で魅力的なキモチいいフェスしたい」という想いの環境面の話。

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そうしてなんとかして開催に至った『たとえばボクが踊ったら、♯002』。MCを務めるFM802DJの加藤真樹子(『UPBEAT!』/毎週月〜木11:00-13:00) と竹内琢也 (『BEAT EXPO』/毎週月・火19:00-20:48、『WEEKEND PLUS』/毎週金、土29:00-31:00))の呼びかけで、開催にこぎつけてくれた主催者と公園スタッフに感謝の声と拍手を送るところからスタートした。参加した人々は台風の被害も知っているし、どれだけの想いをもって開催に至ったかを知っているからこそ、とにかくもう今日という日を迎えられたことの喜びを分かち合うような、祝福ムードと興奮が入り混じった盛り上がりをみせていた。その喜びと感謝の気持ちは、アーティスト陣のライブからもヒシヒシと伝わってきた。

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jizue

jizue

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jizue

jizue

服部緑地スポーツ広場A特設ステージのトップバッターを飾ったのは、京都を拠点に活動するインストゥルメンタル・バンドのjizue。井上典政(Gt)が、「徐々に温めていこうと思っていましたけど、野外だと皆さんと一緒で我慢できないんで」と言い放って、テクニカルかつパッショナブルな音を織りなしていく。服部緑地野外音楽堂の幕を開けたOvallはファンキーなサウンドをうならせ、MCの脱力感とは裏腹に緊張感あるライブで観客を引き込んで会場をこれでもかと揺らしていた。

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Oval

Oval

『たとえばボクが踊ったら、』は各アーティストの持ち時間が、約1時間とフェスでは珍しいロングセットも魅力的だ。だからこそ、フェスとは言えたっぷり時間をかけたライブ展開やセトリを楽しめる。MCをたっぷり語る者もいれば、じっくりと音で語る者もいる。勢いよくけしかけてもみくちゃになる熱狂とはまた違う、じわじわとグルーヴが高まっていくのを全身で感じ、一心不乱に踊ったり、ビールを飲みながら腰を揺らしたり……、と好きなスタイルで興奮と多好感を共有できるところが醍醐味だろう。そんなアーティストが作り上げる音世界のより深いところまでたどり着くことができる楽しさは、ロングセットならではだと思う。この構成は、主催者がそれぞれのアーティストのことを心底好きで、自分自身ならこれぐらいたっぷりと楽しみたいという思いと、その魅力を多くの人に知ってほしいという想いの表れではないだろうか。

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lecca

lecca

約1年ぶりとなるleccaのステージは、「おかえりー!」「待ってたよー!」と復帰を待ちわびた観客の声が絶えず、大合唱とタオルを振り回す強固な一体感を生み出す温かみ溢れるムードに。災害についても触れ、披露された「きっと大丈夫」、そして「マタイツカ」が歌われた頃には涙を拭う観客の姿が絶えなかった。

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lecca

lecca

野外音楽堂は、普段なら閉じられているステージ後方の屋根付きエリアが解放されているため、めったに観ることができない舞台袖や楽器や機材の細部まで間近で観ることができる。因みに、一昨年の初回開催時は、突然の大雨のためこのエリアを急きょ開放。観客に雨宿りの場として提供した背景もある。その背景もあってか、今回はスタート時から解放されており、強い日差しを凌ぐ熱中症対策に活用している親子もいた。これは裏側を観れるファン精神くすぐる粋な計らいであり、いざという時の避難場所としても非常に助かる心遣いだと思う。

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Oval

Oval

ステージ後方からアーティストの表情はもちろんほとんど見えないが、観客の表情や様子も良く見えたので、Ovallのライブをはちきれんばかりの笑顔で踊って楽しむ人や、leccaと共に涙を流しながら熱唱する人の姿が個人的にはより印象に残った。

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lecca

lecca

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韻シスト

韻シスト

先ほど、ロングセットについても触れたが、アーティスト同士のセッションともなると超ロングセットになるのも見逃せない。地元大阪の韻シストは、結成20周年を記念したニューアルバム『IN-FINITY』から「GOOD FEEL」や「Don't worry」などをエモーショナルにたっぷりと届けた後、まだまだこれからですよと言わんばかりに、同じく地元大阪出身でレゲエ界を代表するシンガー・PUSHIMを呼び込みコラボ。

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PUSHIM×韻シスト

PUSHIM×韻シスト

初めて共演した「Don't Stop」はもちろん、PUSHIMが「たとえば私が韻シストの曲を歌ってみたら?」と、「Dear」をカバーしてみせるなど、それぞれの楽曲を披露して会場を大いに沸かせる。

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PUSHIM×韻シスト

PUSHIM×韻シスト

さらにMCでは、「たとえば……Shyoudog(Ba)が踊ったら?」と無茶ブリしたり、関西人らしくタイトルをもじった大喜利を皆で楽しむ場面から、気心知れた関係性が垣間見え心温まった。

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韻シスト

韻シスト

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RHYMESTER

RHYMESTER

超ロングセット・セッションはこれにとどまらず。キング・オブ・ステージことRHYMESTERが登場して、野音のトリが開幕して独壇場に。台風被害を気にかけながら、「今日開催できたのは、もう奇跡的だよ」と感嘆した様子の宇多丸とMummy-D。

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RHYMESTER

RHYMESTER

そして、いかにこのイベントがアーティストへの愛がある「最高のフェス」であるか、その愛は、セッションする枠すらもタイムテーブルにワンマン規模のロングセットで初めから設けているところに表れていると語っていた宇多丸。

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RHYMESTER×SOIL & "PIMP" SESSIONS

RHYMESTER×SOIL & "PIMP" SESSIONS

今度はRHYMESTERと入れ替わってSOIL&"PIMP"SESSIONSが登場し、負けじと「SUMMER GODDESS」「Pride Fish Ball」などを畳み掛けながら、エネルギーに満ち満ちたスケールある音像をぶつけていく。約30分ずつのライブをそれぞれ終えると、主催者と観客の期待に応えんと全員登場のジャムセッションに!

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RHYMESTER×SOIL & "PIMP" SESSIONS

RHYMESTER×SOIL & "PIMP" SESSIONS

ライブだけでなく共に音源もリリースもするなど、盟友ともいえるこの二組。実は、2011年のFM802主催「MEET THE WORLD BEAT」の打ち上げでセッションしたのがきっかけということもあり、大阪とは縁深い関係性のコラボを見届けなければと、気づけば野音の会場に入りきらないほどまでに集まっていた観客みんなが大歓喜。

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RHYMESTER

RHYMESTER

1曲目の「I Believe In Miracles × The Choice Is Yours」のマッシュアップを完璧にキメたり「この夏の散々な思い出を思い返して、今日の夜、美化しましょう!」と「フラッシュバック、夏。」を披露。何が起こるか分からないヒリヒリした緊張感のアツいライブを、トータルで2時間近くも繰り広げた。

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The Birthday

The Birthday

そして、『たとえばボクが踊ったら、』といえばこの二組。真っ黒の衣装を身にまとった、The Birthdayが登場して、会場の空気がまたガラッと変わった1曲目の「FULLBODY の BLOOD」。

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The Birthday

The Birthday

前回出演時は大雨となり、この曲の演奏中は雷鳴も轟いていたという、そんな楽曲からのスタートに特別な想いを感じる。血の通った音が、全身に突き刺さり、血を滾らせる。ゆったりと楽しんだ時もあれば、今度は衝動のままに拳を突き上げている自分がいた。これほどボーダレスに音楽を堪能できることもなかなかないなと、また嬉しくなりながら、極上のロックンロールを喰らう。

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The Birthday

The Birthday

晴れ切った空の下、チバユウスケ(Vo/Gt)が「降りゃいいのによぉ」といじらしく笑ったり、とにかくご機嫌に掻き鳴らし歌っていた。その様子は、今日という日を待ち望んでいたかのようで、誰よりも楽しみながらステージに立っていた気がする。

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The Birthday

The Birthday

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SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERS

そして、今回のオーラスを飾ったSPECIAL OTHERSのステージは、すっかり暗くなった服部緑地にぴったりな眩いセットに。淡々と緻密に、次から次へと紡がれる音と弾けるリズムが、この日1日の高揚感をさらに彩っていくようで。

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SPECIAL OTHERS

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そして、なんとか無事開催を実現してくれたスタッフ陣に感謝を込めてねぎらうように、温かく、寄り添うように打ち鳴らされる。ようやく繰り広げられたMCでは、『たとえばボクが踊ったら、』はれっきとしたフェスになったということと、「こんな気持ちいいフェスで、音楽ができて嬉しい」という心境をありのままに伝えられた。

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SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERS

とにかく、この“気持ち良い”という言葉に、尽きるイベントだなと、この時改めて思った。“気持ちよさそうに踊る”という表現が、これほどまでにピッタリで、それが絶え間なくこのオーラスのステージまで続いているイベントはなかなかないと思う。

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SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERS

それはやはり、冒頭に記した通り、イベントの環境面がそうさせてるところもあるだろうし、何よりアーティスト自身が気持ちよくライブを楽しんでいるのが伝わってくるからこそ、観ているこちらも肩ひじ張らずナチュラルに気持ちよくなれるのだろう。そんな真面目なことを考えてみたのもつかの間、「大阪の人は家のカレーで牛肉を使うことを当たり前だと思っている。東京はポークですよ」という県民性についてのなんでもない話題に移るゆるさに、また親近感が湧いてしまう。気づけばラストナンバーとなる「LIGHT」が鳴らされ、あっという間にアンコールへ……。じんわりと心地よい余韻を、胸に残してくれる最高の締めくくりで、来年の開催への願いと期待の火も灯してくれた。

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SPECIAL OTHERS

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終演後、バックステージで主催者がビール片手に「今日は、やったよ!」と自信を満面の笑顔で満足げな表情を浮かべていた。韻シストはMCで、「今日、なんだか満たされる感じがあるね」とも語っていた。服部緑地の非日常な空間でアーティストと分かち合い、贅沢な“気持ち良い”感じを体感した人たちは、特別な想いで満たされて家路についたんじゃないかと思う。それは、後日公式アカウントによりアナウンスされた通り、イベントに足を運んだ1人1人の協力によって、会場のみならず公園内のゴミがほとんど落ちていなかったというクリーンな結果が物語っている気がする。きっと誰しもが『たとえばボクが踊ったら、』のようなイベントをこれまで求めてきていて、実際に参加してみて満足して、また次も開かれてほしいと願って、自然とそうしたのではないかなと感じた。台風にもくじけなかったイベントだ。またいつの日か、服部緑地公園で『たとえばボクが踊ったら、』その先には、どんな景色が広がっていて、どんな気持ちで満たされるのだろうかと、これからに期待せずにはいられない1日だった。

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取材・文=大西健斗 写真=オフィシャル提供(渡邉一生、ハヤシマコ)


【音の旅crew・山人音楽祭2018】音の旅crewが教えてくれたこと。音楽は自由だということ

山人音楽祭 2018【妙義ステージ】 音の旅crew

『山人音楽祭2018』2日目、『妙義ステージ』のトップバッターを務めるのは、音の旅crew。爽快感のあるダンスナンバー「my pace space my place」でライブをスタートさせ、そのままguro(Gt)のギターから「CROSS ROAD」へと雪崩れ込んでいった。《30分に全てを懸ける日々に/腕とスキル高める時間を作る》という歌詞が、ストンと胸に落ちてきた。

ちょうどこの日のステージも30分。彼らは今、この瞬間のためにどれだけの時間を積み重ね、磨きをかけてきたのだろう……。そんなことをふと考えてしまう程、ステージに懸ける想いが十二分に伝わってきた。だけど、pepe(Gt/Vo) の「一緒に歌った方が気持ちいいよ!」という呼びかけで、そんなこと考えるのは野暮だったなと、すぐに我に帰る。

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音の旅crew

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音の旅crew

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周りを見渡してみても、手に持ったビールをステージに掲げて歌っている人や、気持ち良さそうにゆらゆらと踊っている人たちばかり。はたまた小さな子供たちまで、ステージに夢中になって一生懸命にダンスしたり、見よう見まねで歌っている。こりゃもう一緒に楽しんだもん勝ちだなと、そう思わせてくれる求心力と周りを巻き込むパワーのあるステージが続いていく。

大樹(Ba)のベースから始まった「Rebel soul dance」では、チャック(Dr) のリズムに合わせて、肩を揺らしていた観客たち。その音と楽しそうな光景に吸い寄せられるように、どんどん観客が集まって来る様もまた痛快。フィッシュマンズの「いかれたBaby」をマッシュアップさせた「La La La」、そして坂本九の「上を向いて歩こう」のフレーズまで飛び出した「LION」を一緒に歌ったエンディングの満足感たるや。音楽はいかに自由で楽しいものなのかを体感することができるライブで、鼻歌交じりに次のステージへと向かいたくなるようなワクワクする気持ちになった。

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音の旅crew

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音の旅crew

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途中のMCで、大樹は「妙義ステージに出れてすごく嬉しいんですけど、音楽やってるからにはやっぱ、でっけー赤城ステージを目指したいと思います!」と宣言していた。「また帰ってきます!」とステージを去った彼らはまだ旅の途中。またこの群馬の地に、『山人音楽祭』に帰ってきた時には、彼らとどんな時間を過ごすことができるのだろうか、楽しみにしたい。


文=大西健斗 撮影=タマイシンゴ

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音の旅crew

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TRFの「BOY MEETS GIRL」を三ヶ国語+盆踊りでリミックス! DJ KOO×Namewee「BOY MEETS GIRL 2020」MVを公開

TRFのヒット曲「BOY MEETS GIRL」を三ヶ国語展開と盆踊りでリミックスした「BOY MEETS GIRL 2020 / Namewee feat. DJ KOO」のミュージックビデオが公開された。

「BOY MEETS GIRL 2020 / Namewee feat. DJ KOO」は、TRFのリーダーDJ KOOとマレーシアの歌手・作詞家・作曲家・脚本家・映画監督・俳優のNamewee(黃明志)の共演によって実現。日本語、英語、中国語の多言語による二人のラップパートや、アジア各国のYouTuberが舞踊家・孝藤右近氏の振り付けによる盆踊りを踊る映像などで構成。友情出演でピコ太郎が登場しているほか、スピードスケートで多数のメダルを獲得した清水宏保氏、avex所属のcallmeらも出演している。


MVのラップパートでは90年代にマレーシアでJ-POPを聴きながら青春時代を過ごしたというNameweeが、憧れのスターであったDJ KOOとメッセージを交換し合う一幕も。そのほか映像中には、楽曲初公開の舞台となったフランス・パリの『Japan Expo 2018』でのライブパフォーマンスの様子も織り交ぜられている。

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DJ KOOは、楽曲について「東京オリンピックへ向けて、日本が世界から注目を集める中、日本の伝統文化である盆踊りを楽しんでいただくことを通じて、日本の魅力を世界に発信して行きたい」と語っている。

なお、この企画を仕掛けたCool Japan TVとavex managementは、YouTube上での「盆踊りを踊ってみたキャンペーン」を実施予定。日本旅行の航空券、TRFのライブチケットのプレゼントや、楽曲を通じて、盆踊りを世界中の人々に楽しんでもらう仕掛けを計画しているという。

【FIRE BALL with HOME GROWN・山人音楽祭 2018】あなたの幸せ願う気持ちをレゲエミュージックに託す渾身のステージ

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 FIRE BALL with HOME GROWN

会場に「ヤーマン!」という言葉が飛び交う中でスタートしたのは、レゲエミュージックの素晴らしさを現代へと継承するFIRE BALL with HOME GROWN。威風堂々としたオープニングナンバー「LIGHT UP THE FIRE ~FB:着火のテーマ~」を皮切りに、HOME GROWN が鳴らすグルーヴ感溢れるバンドサウンドにのせて、“ハマの火の玉”の異名をとるFIRE BALLが鮮やかなマイクパフォーマンスを繰り広げる。

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FIRE BALL with HOME GROWN

FIRE BALL with HOME GROWN

「お手を拝借!」と、常夏の太陽が似合うようなトラックでフロアを楽園へと変えた「Call This Love」では、「レゲエの根底にあるのは愛ですよ。みなさんの愛を見せてください」と呼びかけて、“ラブ”のコール&レスポンスで会場を一体にすると、続く、レゲエ讃歌 「Raggamuffin」では、ダンスホール・レゲエの昂揚感に包まれてお客さんは一斉にジャンプする。

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FIRE BALL with HOME GROWN

FIRE BALL with HOME GROWN

MCでは、CHOZEN LEE が「ここに立っている全員ギリギリで到着しました(笑)」と、道路が渋滞していたため、電車に乗り換えようかと思ったという裏話を明かすと、その気持ちをボブ・マーリーのカバー「Stop the Train」にのせて4声の美しいハーモニーで聴かせる場面も。そして、軽やかな裏打ちのリズムが弾んだ「俺とお前とボブマーリー」など、ボブ・マーリーが後世に遺した“愛”と“闘争”のテーマを、ルーツ愛に満ちたパフォーマンスで伝えていく。

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FIRE BALL with HOME GROWN

FIRE BALL with HOME GROWN

メンバー曰く「いちばん見せ場」となったダンスホール・ナンバー「Don't Turn Dat Down」では、会場に集まったお客さんが自由に体を動かす心地好い空間を作り上げると、「みんなの人生が楽しくなることを願ってます。今の楽しさと、みんなのパワーがあれば、乗り越えられるんじゃないかと思ってます。日本は自殺率がいちばんだって?でも俺は孤独なやつなんていないと思うよ。こんな良い音楽があるんだもん。孤独な人を孤独にさせないために、せめて一緒に歌いませんか?」と語りかけて、「みんなのうた」を披露。“お前はひとりじゃねえ”と、陽性のバンドサウンドにのせた熱いメッセージは、強い信念を持つ彼らが歌うからこそ響くものだったと思う。

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FIRE BALL with HOME GROWN

FIRE BALL with HOME GROWN

そして、「今日という日に!」と言葉を添えたラストソング「Wonderful Days」へ。語りかけるようなメロディにのせた、“あなたに出会えたから、わたしのこの人生は価値がある”と伝える温かい想いは、人とのつながりを大切にしながら時間を重ねてきた山人音楽祭に捧げるのに相応しい歌だった。


文=秦理絵 撮影=HayachiN

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【韻シスト・山人音楽祭】素晴らしいパーティーピーポーが集まった素晴らしいパーティー

山人音楽祭 2018【榛名ステージ】 韻シスト

ライブレポート作業ブースと彼らの楽屋が同じエリアな為、榛名ステージに向かう時に前を通る。本番8分前、当たり前の様にステージ袖にいると思って、楽屋前を通り過ぎようとしたら、2MCのBASIとサッコン、ギターのTAKU、ベースのShoyoudog、ドラムのTAROW-ONE全員が楽屋前でマネージャーと談笑している。昨日前乗りして群馬の街をパトロールした話や「「ジープで登場した!」って書いてください!」などと呑気に喋り出す。

5分前になって、ようやくステージ袖へと向かう。TAKUは「どっしり構えてるわけじゃないんですよ」と微笑んでいたが、この良い意味でのマイペースさは関西人ならではのものなのか、それとも20年というキャリアからなるものなのかと、全くライブと関係ない事を考えながら、一緒にステージ袖へと向かった。

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韻シスト

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韻シスト

韻シスト

タテノリで暴れたり、騒いだりしたい元気なフェスキッズの前で、バンドサウンドでヒップホップを緩やかにヨコノリで聴かせる韻シストは、どうなるのだろうと勝手に心配していた。だが、1曲目「ON&ON」が鳴った瞬間、馬鹿げた心配をしていた事に気付く。初見の観客も多いはずなのに、ちゃんとヨコノリで楽しんでる。中にはビール片手の方もいらしたりして、本当にわかってらっしゃるとしか言いようがない。

ロックもヒップホップもレゲエも、その他何でも音楽にジャンルなんて関係ないし、ただただ、その字の如く、音を楽しむだけ。サッコンも「パーティーピーポー」なんて言葉を使っていたが、現在はチャラい意味合いで使われがちな言葉だが、本来の意味は集いを楽しむ人々という事。「一丁あがり」でのコール&レスポンスも、BASIとサッコンが丁寧に教えていくし、わかっていない人には挙手させて、より丁寧に。で、英語のフレーズは、その意味まで教えていく。こんな丁寧に楽しみ方を教えてくれるパーティー、行かなアカンと絶対に思うだろう。

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韻シスト

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韻シスト

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よりムーディーなナンバー「Don't leave me」では2MCの導き通り、ナイスハンドクラップで応えていく。また、「Don't worry」での「でもね」というフレーズや、「ひょっとしたら」のタイトル通りのフレーズなども当たり前のように口ずさまれる。初めて聴く曲でも、キャッチーなメロディーでキャッチーなフレーズが歌われていたら、こんな事になるのかと嬉しさを噛みしめながら、観客エリア後方から眺めていた。
最後、サッコンは「素晴らしい!」と観客に言って去って行ったが、本当に素晴らしいパーティーだったし、本当に素晴らしいパーティーピーポーの皆様だった。


文=鈴木淳史 撮影=半田安政[Showcase]

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韻シスト

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【サンボマスター・山人音楽祭 2018】全員優勝!ロックンロールのあるべき姿をサンボ暴走列車が身をもって示す!

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 サンボマスター

BGMとして場内に流れていたSuchmosの曲をぶった切って、熱暴走寸前の3人組がステージに現れ、いきなりのキラーチューン「世界をかえさせておくれよ」をぶちかます。これぞサンボマスターだ。「今日は誰かの葬式!? 山人はこんなもんじゃねぇだろぉ!」「これは山人じゃない! 俺が知ってる山人は一人ひとりが優勝できる場所なんだぁ!」とまだMCに入ってもいないのに、山口隆(Vo/G)はパワーワードを連発。

山口の勢いはとにかくすごい。なんせ黙っているときが一瞬たりともない。歌っているか、煽っているか。歌わずに煽ってるときすらある。そんな山口にケツを叩かれまくった観客のノリは、「青春狂騒曲」に入るとさらに激しくなる。そんなフロアのうねりが見ていて楽しい。

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サンボマスター

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サンボマスター

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しかし、山口はまだまだ満足がいかない。「俺はお前らのために歌いに来たんだぞ!」「踊れ!踊れ!」と焚きつける姿はまるで鬼コーチ。その一方で、「ギター弾いていいですか、皆さん!」とソウルフルなギターソロの前にフロアの許可を得る姿が可笑しい。

山口が言うには、今日は全員を優勝させにきたとのこと。サンボの3人は言わば優勝請負人だ。そして、彼は続けた。「高校野球で優勝できるのはただ1校。オリンピックで金メダルを獲れるのも1人だけ。だけど、ロックンロールだけは来た奴ら全員を優勝させるからな!」これには観客も大歓声。「山人、こんなもんか!? もっと見せてみろ!」と鬼コーチが叫べば、ロックンロール部員の観客は思い思いの表現で感情を放出させる。一見キツそうな言葉ばかりが投げかけられるが、そこには温かさが込められている。だからこそ、みんなのボルテージは上がっていくのだ。いやあ、これはすごい。

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サンボマスター

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サンボマスター

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それにしてもこのバンド、以前よりもかなりパワフルになってないか。山口の姿だけ見ているとまるで壊れた暴走列車のようだが、それとは真逆に3人のアンサンブルは実に強靭。山口の言葉が薄っぺらくならないのもこの鉄壁の演奏があるからだ。近藤洋一も木内泰史も派手ではないが、安定したパフォーマンスでフロントの山口をもり立てる。

サンボはロックンロールのフォーマットにハマっていない。サンボと同じようなことは誰もやっていないし、誰も真似はできない。フォーマットにハマらないことこそがロックンロールなんだ。思わず笑ってしまうぐらいの熱量に圧倒されながらもそんなことを思った。最後の「輝きだして走ってく」まで120%の全力疾走でロックンロールしたあと、3人の鬼コーチは無数の部員とともに写真撮影をするのだった。そう、優勝記念の撮影を。


文=阿刀“DA”大志 撮影=HayachiN

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サンボマスター

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【ローホー・山人音楽祭 2018】弾き語りスタイルを武器に変え、人間味溢れるライブで観客を掌握

山人音楽祭 2018【妙義ステージ】 ローホー

大阪はストリート発の弾き語りアーティスト、ローホーが『山人音楽祭 2018』に初参戦。曇り空の過ごしやすい天候の中、「遊べますか? アコースティック・タイム!」と告げると、「ASOBO」で妙義ステージに集まった人たちの心にスッと入り込む。

「アコギ一本でかましに来ました、ローホーです!山人に出させてもらうのは初めてで……後輩と一緒にG-FREAKのライブを観て、暴れてた。遊んでたら、いいことあるね」と屈託のないMCで場を和ませる。それから次の曲に行くためにチューニングし直しているが、これがうまく行かない。「チューニングがわからなくなったぜ!」とぶっちゃける陽性キャラに観客も好反応。

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ローホー

ローホー

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ローホー

ローホー

リズミックに言葉を吐き出す「浮き草」に入ると、体を横に揺らして乗る観客が目に入り、曲が終わると、「かっこいい!」という男性客の声も耳に飛び込んできた。音楽性はもちろん、初見の人をも魅了するローホーの人間力は相当高いと言っていい。

そして、約2年ぶりにニュー・アルバムが完成したことを報告し、しかもマスタリングはロンドンで敢行。クラッシュ、セックス・ピストルズ、マドンナなどを手がけた人にやってもらったと嬉々として語り、「弾き語りというハンディキャップを武器に変えるから!」と胸中にある熱い思いを吐露。

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ローホー

ローホー

それから「This is that」を挟んで、「ブルース、レゲエ、ファンクをやったんで、次はR&Bやりましょうか」と言うと、「ドライフルーツ」をプレイ。男臭さだけではなく、爽やかな歌声でも観る者をグッと惹き付けていた。

後半、明るい高揚感に満ちた「土砂降りの休日」でさらに観客を踊らせ、「Asian Meditation.」では多くの人たちを笑顔にするステージングを見せつけ、最後は「じゃ、物販で!」と言い放ち、颯爽とステージを去る姿も印象的だった。


文=荒金良介 撮影=タマイシンゴ

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ローホー

ローホー

石野卓球、tofubeats、あっこゴリラ、ハリウッドザコシショウらが出演『平成音楽家 HALLOWEEN SPECIAL』開催へ

「平成生まれの次世代アーティストを中心とする」イベント『平成音楽家 HALLOWEEN SPECIAL』が10月28日(日)に東京・渋谷SOUND MUSEUM VISIONにて開催される。

全世界での世帯ごとのPC普及率が78%もある現代で、PCがあれば「メンバーを集めなくても」「誰でも開始可能」なDTM(デスク・トップ・ミュージック)は、音楽を始める身近な方法のひとつだ。そんな間口の広さも追い風となり、さまざまな才能溢れるアーティストたちが登場している。

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tofubeats

tofubeats

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石野卓球

石野卓球

『平成音楽家』はそんな中で続々と台頭する、平成生まれの次世代アーティストを中心とするイベント。SOUND MUSEUM VISIONで開催される今回の『平成音楽家 HALLOWEEN SPECIAL』には、tofubeats、Masayoshi limori、あっこゴリラらが出演する。また、ゲストとして、石野卓球、ハリウッドザコシショウも登場する。

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TENG GANG STARR

TENG GANG STARR

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ハリウッドザコシショウ

ハリウッドザコシショウ

そのほかのラインナップなど、詳細は公式サイトを確認しよう。

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【Caravan・山人音楽祭 2018】愛すべき人への想いを祈るように届けたラブ&ピースの歌

山人音楽祭 2018【妙義ステージ】 Caravan

サウンドチェックを終えたあと、「引っ込むのもアレなので、このまま行こうと思います(笑)」と、ゆるいムードで始まったCaravan。ペダルスティールギターを奏でる宮下広輔とリアルタイムで多重録音をしたCaravanのギターが美しく絡まり合うインスト曲「Well-Come」が、まさに“ようこそ”とお客さんを優しく出迎えるようにライブはスタートした。

何も言わずとも、自然と湧き起こる温かいハンドクラップに包まれながら、ギターを掻き鳴らして歌い始めたのは「Free byrd」。何にも縛られず、鳥のように自由に羽ばたけと歌う開放的なメロディによって妙義ステージに穏やかな時間が流れていく。

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Caravan

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Caravan

Caravan

ペダルスティールとギターが奏でる深淵なるサウンドスケープにはじまり、太陽や空、星空という自然の景色を丹念に編み込んで歌う「ハミングバード」、淡々と刻むビートにのせて、遠く離れた場所の出来事と自分の現在地とがありありと繋がっていく様を綴った「その瞬間」、そして、シンガロングを巻き起こしながら、愛すべきロクデナシへの想いを綴った「Trippin’Life」へ。外国の戦争も、大自然の営みも、隣にいる友も、今を生きる私たちの周りで取り巻く全てのことを、決して自分とは無関係なものにしないCaravanの懐の深い音楽たちは、私たちに忘れてはいけない大切なものを思い出させてくれる。

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Caravan

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MCは最後の一言だけ。「短い時間なので駆け抜けちゃいましたが、また会いましょう」と言うと、私事ですが……と前置きをして、「北海道に家族がいて、姉貴が住んでるんですけど、いろいろ今大変なことになっています。災害とかも起こるけど、今ここで感じている温かい気持ちを、ピースな気持ちを愛する人に送ってあげてくだい」と言って、ラストナンバー「サンティアゴの道」を届けた。声高に何かを訴えるのではなく、ただそこにステージが空いていたからフラリと立ち寄ったような飾らない雰囲気で披露した全6曲には、Caravanが歌と旅路の人生のなかで辿り着いた、かけがえのない真実が詰まっていた。


文=秦理絵 撮影=タマイシンゴ

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Caravan

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【SA・山人音楽祭 2018】全身全霊、前進あるのみ、SAの生き様にガッツポーズ

山人音楽祭 2018【榛名ステージ】 SA

結成30年以上、50歳を超えてもなお、全身全霊! 前進あるのみ!……そんな我武者羅なライブを榛名ステージでぶちかましたのはSA。NAOKI(Gt)、KEN(Ba)、SHOHEI(Dr)が鳴らす分厚いサウンドに合わせて、TAISEI(Vo)が登場。何度も何度も数えきれないぐらいに、「よう来てくれた!」と叫んでいたほど、みるみるうちに観客が増え、会場の熱気が凄まじいことになっていた。

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SA

SA

「こんな地下の中でも、熱く熱く行こう! 心の太陽を見せろ!」(TAISEI)と投げかけられ、フロアに万歳した手の平が続々と昇った「KIDZ IGNITE」。《カッコつけろパンクス/アッパレだパンクス》の歌詞に全身がビリビリと痺れ、《燃えつきたいぜこの人生/とことんまでやったらんかい!》と叫ぶ「MY ONLY LONELY WAR」を食らって、いてもたってもいられなくなり自ずと拳が突きあがる。それに応えようと、手を振ることすらもTAISEIはつま先から頭のてっぺんまで全身を使って全力でやる。楽曲がカッコ良いのはもちろんだが、その形振り構わずステージに立つメンバーの姿に胸が熱くなる。

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SA

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だって、リーゼントやツンツンのスパイキーヘアをバシッと決めた50歳を超えた男たちが、己を信じて命を燃やし尽くす勢いでとことんガチンコ勝負をしてるのだから、それもめちゃくちゃカッコ良いときたからには痺れて当然、胸が熱くなるに決まってる。だからこそ、どの歌詞も説得力ありすぎてグサグサ突き刺さって、背中を押される。自分も本気にならなきゃって、突き動かされる。《どこまでも行けると信じる勇気が欲しかった》と、「さらば夜明けのSkyline」で歌っていたが、僕たちはSAの姿をみて、どこまでも行けると信じる勇気をもらえているのだ。

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SA

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MCでは、コムレイズ(SAのファンの呼称)が持っていた特製の旗を預かって紹介。旗には「オラが町に エスエーが来たぜ 楽しみに待ってたぜ」と書き込まれていた。これを見てTAISEIは、「こんなん作ってくれるんだぜ!? そりゃ喉枯らしてさ、汗水垂らして、つば飛ばしてでもやるしかないじゃねえか!」と感慨深げな表情を浮べる。そのまま、「俺たちは小さくまとまる器じゃねえ!」と啖呵を切って、「GET UP!WARRIORS」へ。ラストの「赤い光の中へ」では、TAISEIが曲中にフロアに降りて観客に囲まれながら歌う興奮の沸点を叩き出した。最後、ステージ袖で見ていたHawaiian6のHATANOと、G-FREAK FACTORYの茂木を呼び込んでハグ。共にタオルを掲げ、戦い抜いたステージの熱気と喜びを分かち合うフィナーレとなった。

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SA

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《道は果てしなき夢は今まだ五分咲き/気持ちとうらはらに足は重くなるばかり/どこまで行こうかどこで足を止めようか/それでもよっしゃ行こう!声あげ光の中へ》。「赤い光の中へ」のそんな歌詞が、今日のステージを、SAの勇姿を象徴していたように思うので引用したい。今年リリースしたそんな新曲で締めるところも、前のめりなスピリッツの現れに思う。いつまでもギラギラでピカピカにかっこいいSAのライブは、背筋が伸びるほどカッコよかった。


文=大西健斗 撮影=半田安政[Showcase]

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SA

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【かりゆし58・山人音楽祭 2018】音と言葉に浄化された緩やかで穏やかな時

山人音楽祭 2018【榛名ステージ】 かりゆし58

ボーカルの前川真悟は朝から会場に入っていて、こちらが行くステージ、行くステージ、色々なところで見かけた。『山人音楽祭』を、ライブを、音楽を、心から楽しんでいる。本番前のサウンドチェックの時から、観客エリアはみっちり人で埋まっていて、そんな中、前川は相変わらず楽しみながら、こう言った。「あなたたちのような人がいるとミュージシャンは死にません」。聴いてくれる人がいるから、演者は音楽を鳴らせる。そんな基本的な事を改めて感じさせられた。

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かりゆし58

かりゆし58

本番ステージに登場して、1曲目「手と手」を歌いだす前、前川は自分のマイクがケーブルに繋がっていて、そこからスピーカーを通して、観客の鼓膜に届き、そして心へ、魂へ届くと語る。ひとりひとりと向き合う事は物理的に無理なわけだが、そんな中でも可能な限り、音楽を通して逢う人々とコミュニケーションをはかろうとしてる事が伝わってきた。そして、曲の途中で「《手をつなごう》なんて歌ってますが、隣の人と手を繋ぐように言われないか、ドキドキしてませんか?! そんな野暮な事は言いませんよ!」と茶目っ気たっぷりに語りかける。ひとつにならなくても、別々の人間が同じ場所にいるという事が奇跡だと思うと胸の内を明かす。

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かりゆし58

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自由に楽しんでいいんだとすっかり観客が安心できたところで、「ウクイウタ」、「アンマー」と人気曲が披露される。口ずさみだす観客の姿を観てると、楽曲が発表されて10年や12年という年月は全く関係なく、それぞれの中で楽曲が生き続けている事がわかる。もちろん全力を尽くしてるのだが、バンド自体が良い意味で肩の力が抜けたリラックスした状態だからこそ、自然に観客との関係性も作れるのだろう。

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かりゆし58

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まるで同期サウンドを駆使したかのような浮遊感を人力で鳴らした「証」など、サウンド面でもリラックスさせてくれた彼ら。最後に「初日よりも良い2日目を。そして、今日以上の明日を」と前川は温かい言葉を。

ライブを観ていた出演バンドたちやスタッフたちが「浄化される感じだった……」とつぶやくように言っていた光景に、何だかとってもほっこりした。


文=鈴木淳史 撮影=半田安政[Showcase]

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かりゆし58

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【東京スカパラダイスオーケストラ・山人音楽祭 2018】TAKUMA(10-FEET)2曲参加を含む、狂熱の楽園天国へようこそ!

山人音楽祭 2018【赤城ステージ】 東京スカパラダイスオーケストラ

勇壮にして軽快な「ゴッドファーザー愛のテーマ」で堂々と幕開けしたのは東京スカパラダイスオーケストラだ。1曲目からじわじわと焚き付けた後、沖祐市(Key)がピアニカを吹き、そのピアニカがキラキラとした電飾を放つと、観客もワーッと盛り上がり、そのまま「SKA ME CARZY」へ。メンバーがステージ上でステップを踏んで踊り出すと、賑々しいサウンドに拍車がかかり、楽しいムードを会場の四隅に染み渡らせる。そう、音楽そのもので語りかけるエンタメ感は他の追随を許さない説得力に満ちていた。

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

谷中敦(B.sax)が「楽園に境目はない。楽園の扉を開けっ放しにしてるので、雪崩れ込んできて!」とMCすると、「Glorious」、「Paradise Has No Border」と立て続けにプレイ。まさに享楽のパーティー空間に観客を一人残らず誘い、ステージとフロアを崩壊させるエネルギーが渦巻いていた。

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東京スカパラダイスオーケストラ

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

まだまだこんなものでは終わらない。中盤、「Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>」では10-FEETのTAKUMA(Vo/G)がゲスト参加。スカパラのメンバーと同じくグレースーツを着込んだTAKUMAはピン・ヴォーカルにて、谷中と熱い掛け合いを披露。「もう1曲歌えよ!」という谷中の言葉を受けて、TAKUMAは観客に向かって「お前らもっとやれるやろ! スカパラ、もっとやれるやろ? あっ、すいません!」と大先輩までイジりつつ、即座に謝る場面には思わずほっこり。そして、引き続きTAKUMAを迎えて「閃光」をプレイし、2日目の山人らしいコラボレーションに観客も大興奮の様子だった。

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

そのあとも、ゆったりしたテンポで迫る「Routine Melodies」、万人に突き刺さるキャッチーなメロディを配した名曲「DOWN BEAT STOMP」と繫ぎ、最終曲「ペドラーズ」までアッパーに攻めまくるゴージャスな演奏で赤城ステージを見事に制圧した。


文=荒金良介 撮影=HayachiN

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東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

【山人MCバトル・山人音楽祭 2018】加熱するシーンを象徴する山人MCバトル、第3代王者の栄冠は誰の手に!?

山人音楽祭 2018【妙義ステージ】 山人MCバトル

密かに山人の裏メインじゃないかと思っている山人MCバトルが今年も開幕! 気になる今年の出場者は、NAIKA MC、晋平太、輪入道、歩歩、TK da 黒ぶち、GOLBY、小池 潔宗、FRANKEN、我次郎MIC、mc kj、BUSS、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)の以上12名。それぞれ8小節3本でフリースタイルラップの技術を競うトーナメント形式で、勝敗はオーディエンスの歓声で決まる。そう、これは全員で作り上げるバトルなのだ。

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山人MCバトル

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定刻を迎えR da Mastaによるスクラッチが鳴ると、一斉に人が集まってくる。これは第1回の一昨年よりも人が多いんじゃないか。司会K.I.Gとのコールアンドレスポンスもバッチリだ。

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注目の一回戦一試合目は、なんと輪入道 vs. 晋平太といういきなりの好カード。組み合わせが発表された瞬間、客席からはどよめきが起こり、さらに人がステージ前へと押し寄せる。結果は、次々と熱いリリックを叩きつけた輪入道の勝利。

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続いては、歩歩 vs BUSS。軍配が上がったのは豪快で型にとらわれないフロウで暴れまわった歩歩。彼の攻撃を冷静に返していくBUSSもよかったが残念だった。

昭和のツッパリ姿の我次郎MICは「ツッパリハイスクールロックンロール」を引用したり、「プレデターみたいな髪を引っこ抜くぞ」というパンチラインで沸かせたが、延長戦に及んだ勝負を制したのは小池 潔宗。我次郎MICの勝利でもおかしくない好勝負だった。

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笑いに溢れた試合となったGOLBY vs. NAIKA MCは、血で血を洗うハゲ弄り対決に発展。観客が軍配を上げた真のハゲはNAIKA MCだった。

ここからはシード選手が登場。1回戦を勝ち抜いた輪入道がFRANKENを迎え撃つ。高速ラップや歌うようなフロウで輪入道を揺さぶったFRANKENだったが、彼の攻撃を真っ向から受け止めた輪入道が貫禄勝ちを収めた。

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昨年対戦して惜しくも敗北した崇勲のTシャツ着用で気合いたっぷりのTK da 黒ぶちは、山嵐(そう、あの山嵐)のTシャツを着た歩歩と対決。勝負は延長戦に持ち込まれたが、見事に歩歩を退けた。

3年連続の出場となったN∀OKI(ROTTENGRAFFTY)の相手は小池 潔宗。年々スキルが上がっているN∀OKIだが、今年も敢えなく1回戦敗退。小池 潔宗はやはり高い壁だったか。「俺が負けてもロットングラフティーは負けてねぇからなぁ!」と言い残し、N∀OKIはステージを去った。

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12人中最後の出場者となったmc kjはNAIKA MCと勝負。NAIKAが着ていたビートたけしTシャツを弄るという攻撃に出たが、逆にたけしのモノマネで返され、数倍のクリティカルヒットを食らってしまう。NAIKA MCの圧勝だった。

準決勝からは8小節4本の戦いに。1試合目は輪入道 vs. TK da 黒ぶち。お互いに相手から目を離さない真剣勝負となったこの試合、勝者は輪入道。ひと言もなく足早にステージを去ったTK da 黒ぶちの背中にはなんとも言えない悔しさが滲んでいた。

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決勝進出者を決める最後の試合は小池 潔宗 vs. NAIKA MCの地元群馬対決。音楽愛、ヒップホップ愛を表す同郷らしい試合展開となった。バトルというよりも見事なマイクリレーにオーディエンスは酔いしれた。勝ったのはNAIKA MCだが、勝ち負けなんて別にいっか!と思わせるステージとなった。

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1時間近くにわたって繰り広げられたバトルも遂に決勝。輪入道 vs NAIKA MCという好カードだ。じゃんけんで勝ったNAIKA MCは先攻を選ぶという強気な姿勢。しかも16小節2本勝負を選択。俄然期待が高まったが、NAIKAが小節を間違えるという、決勝戦にあるまじき凡ミスを犯してしまう。すぐに平静を取り戻したところはさすがだったが、そんなミスを見逃す輪入道ではない。一気にNAIKAを攻め立て、山人MCバトル3代目チャンピオンの座を勝ち取った。

最後は司会のK.I.Gも交えたオープンリレーで、平和に幕を閉じた。来年の開催もクソ楽しみにしたい。


文=阿刀“DA”大志 撮影=タマイシンゴ

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